事業機会
北部準州のガス産業には長年の歴史があり、オンショア生産では内陸部のアマデウス盆地、オフショア生産ではイクシス、バユウンダン、ブラックティップのガス田が知られています。
ビータルー盆地における最近の発見では、非在来型天然ガスが含まれる、地質学的に連続したシェール層が25,000 平方キロメートル以上にわたって多層にわたる石油埋蔵地域内(資源プレイ)に広がっていることがわかり、これはアメリカの巨大なマーセラス・シェールと比較されています。
これまでの探査活動によれば、一つのシェール層だけで少なくとも500兆立方フィートの「P50ガス原始埋蔵量」がビータルー盆地にあることが示されています。
このポテンシャルに基づき、北部準州政府は既存のガス産業の多様化と育成を計画しており、ダーウィンにおけるLNG輸出拠点の拡大強化、ガスを基盤とした処理事業や製造業の育成、パイプラインやインフラ建設、サービス・物資調達産業の育成強化を目指しています。
オンショア案件でのファームイン
2019年にはオリジン・エナジー社とサントス社が提案した探査プログラムによって、大規模な陸上ガス商業生産の可能性に注目が集まりました。
陸上石油探査を行う中小規模の企業と連携して投資や事業を行う機会も考えられます。また北部準州政府には正式な陸上石油探査鉱区のリリース制度があり、次回のリリースは2020年に検討されます。
LNGの生産拡大
ダーウィンは世界でも重要な位置を占めるLNG拠点であり、ダーウィンLNGプロジェクトとイクシスLNGプロジェクトの本拠地です。両施設では合計3基のLNGトレインが操業しており、両者を合わせた生産力は年間1260万トンに及びます。さらに5基のLNGトレインの建設に適したブラウンフィールドの用地が利用できるようになり、両施設の拡張の可能性は高いと言えます。
予想されるオンショアのガス資源は、既存のオフショアガス田の生産を補完することができるため、ダーウィンからのLNG輸出増加を支え、国内東部沿岸市場に天然ガスを供給することでオーストラリアのエネルギー安全保障に貢献できるほか、ダーウィン港に新しい製造業セクターをもたらす基盤を提供できます。

ガスを基盤とする処理事業や製造業
ダーウィンの既存のLNG施設の近くには、ガスを利用した各種処理産業や製造業向けにご利用いただける専用地があります。ここでの事業機会には次のものがあります。
- メタノール、アンモニア、硝酸アンモニウムなどのメタンベースの製品の製造
- 準州内のリン鉱物を利用した尿素やその他の肥料の製造
- エネルギーを大量に消費する産業
- コンデンセート精製
- エタンベースの石油化学製品の生産
- 急成長中の水素エネルギー産業
ガスパイプライン
ノーザンガスパイプライン(NGP)が2019年1月に操業を開始したことにより、北部準州のガス埋蔵地が初めて東部沿岸の国内市場とつながりました。
このガスパイプラインの拡大や延長、ビータルーとダーウィンをつなぐパイプラインの建設などが今後の投資機会として考えられます。どの経由でビータルー盆地とダーウィンをつなぐべきかについての調査が現在実施されています。
サービスと物資供給
ダーウィンは合計4基のLNGトレイン(イクシスに2基、ダーウィンに1基、プレリュード洋上浮遊LNG施設)にサービスと物資を提供する拠点となっています。
オンショアの探査・評価活動が活発化していくにつれ、ダーウィンや地方各地の拠点で関連するサービス・物資供給産業への投資機会も多数生まれてきます。
ダーウィンは石油・ガス産業に最適な高度の技能をもった人材に恵まれています。イクシスLNGプロジェクトの建設が最近終了したこともあり、将来の投資をお考えの企業は、世界水準の石油・ガスプロジェクトを実現できる即戦力のある労働者を利用できるという貴重な利点を享受できます。